読むこと、考えること――ビル・ゲイツが示す読書の力

ビル・ゲイツが幼いから大切にしてきた習慣があります。それは「読むこと」と「考えること」。単なる趣味ではなく、彼の人生や仕事を支える柱になってきました。

今年2月に発売した自伝『Source Code』で彼は幼少期を次のように振り返っています。

「自分の洞窟のような部屋で、本を読んだり、ただ考え込んだりしていました。ベッドに寝転び、延々と頭の中で疑問を追いかけ続けることもできた」

ゲイツは9歳の頃、百科事典をAからZまで片っ端から読み通したといいます。毎年1月に届く年鑑は「遅れて届くクリスマスプレゼント」のようで、歴史の断片が詰まったその一冊を楽しみにしていたそうです。

その積み重ねが世界をより深く理解したいという好奇心と探究心へとつながります。10歳で「音とは何か」という科学論文を書き、デラウェア州を調べる課題では、歴史から企業の経営、マネジメントスタイル、海外展開に至るまで徹底的に調べ尽くしたといいます。

大人になってからも、ゲイツはこの習慣を手放しませんでした。年に二度「Think Week」と呼ぶ時間を設け、自分をあえて隔離して本を読み、考え、頭の中を整理する。ベストセラー『エッセンシャル思考』の著者グレッグ・マキューンによれば、マイクロソフトが最も忙しかった1980年代ですら、それを欠かさなかったというから驚きです。

ゲイツは最近、自身のブログでこう振り返っています。

「子供の頃から、興味をひいたものや好奇心をかき立てられたものを掘り下げる“ラビットホール”にいつも入り込んでいた。落ち着かなかったときや退屈したとき、あるいは悪さをして叱られたときでさえ、部屋にこもって本やアイデアに没頭した。何時間も中断されずに過ごすこともあった。この“暇な時間を深い思考と学びに変える力”は、僕という人間の基本的な部分になった」。

そしてこう加えます。
「それはまた、後に成功する上で決定的に重要だった」

Source Code: My Beginnings (English Edition) Kindle Bill Gates著

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする 単行本(ソフトカバー) – 2014/11/19

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